11月から計画していた映写機の試写を、今日たまたま暇だったので実施したエピソードです。
私は電波の世界に来る前は写真分野に身をおいており、フィルムカメラ、暗室現像、薬液を扱っていました。
映画のような長尺フィルムは、現像処理に大規模な施設(ライン)が必要で自前で処理するような代物ではなかったため今まで扱ってきませんでした。
富士の大阪と調布(柴崎)の国内2個所に現像所があり、そういう意味では昔から「調布に出す」という言葉が調布自動車学校の北隣にある富士フォトイメージングに現像を出す意味となっていて、調布に引き寄せられる必然性があったように思います。(協会内でも私の家が柴崎の現像所に近い事が話のネタになったりします)

去年の暮に奇跡的なめぐり合わせで、私のもとにとんでもなく状態が良い16ミリの映写機がやってきました。昔はOHPなどで相当なシェアがあったエルモ社の機材で、外装は新品同様、通電試験をしてみるとモーターも稼働して、パーフォレーションを動かすギアも回り、プロジェクション用のランプと、光学音響のランプも生きていて、ノーメンテで使えそうな状態でした。
8ミリの映写機も所有していますが、8ミリの映写機では「タヌキ球」と呼ばれるランプの寿命が短く、25時間しか持ちません。電球も6千円とか(今ではそれ以上のプレミアム価格)します。

↑ 8ミリ映写機のタングステン球 KP-GT 8-50W
8ミリフィルムというと富士のシングル8、アニメ「あの夏で待ってる」(2012)の作中でも登場して話題になりました。当時はまだ中古でカメラも映写機も流通していて一式入手しましたが、フィルムは当時も今も墨田区のレトロ社1箇所しか製造(35ミリリールから切り出して製造)、現像をしていません。

↑主人公が手に持ってるのがシングル8のP300 檸檬先輩がちっちゃい
この機材は、幸いにもハロゲン球が採用されており、点灯寿命も250時間と、あまり心配する必要がない種類です。まだ供給されていますし、同じ口金の他社品も出回っています。

↑今回の16ミリ映写機のハロゲン球 ELC/5H 24V250W
そしてこの機材を動かすために必要なメディア、すなわち16ミリフィルムが必要なわけですが、
ツテで東映の教育用映画みたいな内容の40分くらい尺のあるリールを入手してきました。
16ミリがまだ使われていたのは1970〜80年台で、制作から40年は経過しているので微妙な状態のフィルムしか現存していないのが現状です。
商業映画フィルムなので立派な箱には入っているものの、箱から停止液の酢酸臭が漂ってきており、明らかに水洗不足な事が伺えます。現像屋の感覚では、QW、AGガードに浸けて、再水洗したい気分になりますが、長尺物(おそらく400ftくらいある)を乾燥させる広大な施設もなく、フィルム乾燥機(ヒーター内蔵のステンレス筒で乾かす)を通すとゼラチン層が剥離しそうなので我慢して使うしかないです。
いざリールの先端を出すと、パリパリ状態。すでにカウントダウンの数字が見えており、もうすぐ本編始まりそう状態。本当は、リーダー部といって機械に通す時用のガイドを引っ付けて使うのですが16ミリでは持ち合わせがなく(当然、現在は用品として販売されておらず)そのまま通してセットするしかありません。
また、昔(25年くらい前まで)は視聴覚資料が充実している大きな図書館では16ミリ映写機の利用者講習を開催していたのですが現在はそのようなものも皆無で、知識が失われており、ネットで検索してもあまり情報を得られない状況。説明書は当然、分かる人向けで書かれており、詳しい記述がない。
さっとフィルムを掛けて動かすつもりが、ものすごく手こずる。そうしているうちに作業を聞きつけて受講生たちが大量に集まってくる。さすが機械科の学生たちで構造をすぐに理解してアドバイスしてもらいました。





